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2017-06

いっせーの、せ!

Jun 18, 2017 | Free Press 

地球へ遊びに行く仲間たちが、とっておきを小脇に抱えて、約束の場所に集まる。

ぼくたちの間では、『星くずの集い』と呼んでいる。

地球に生まれる前、ぼくたちは必ず、この約束の場所で、とっておきのシナリオを見せ合う。

シナリオは、それぞれの星が、自分の意志でつくりあげる大切なもの。

分厚い辞書のような超大作。羊皮紙一枚だけのシンプルなもの。散文詩でつくられた不思議なもの。

 

彩り豊かな星くずたちのシナリオ、タイミングを合わせて、一斉に見せ合う。

すると、一瞬にしてすべてのシナリオがつながり、関わり合い、無邪気な約束を交わす。

 

「わたしは男で生まれるよ」「じゃあ、わたしは女」

「2017年に会おう」「場所は星と龍にまつわるところでね」

 

ぼくたちが、地球において、今、いる場所。

あたりを見渡せば、すべてがつながり、関わり合っていることが、わかるはず。

もちろん、わからなくても大丈夫。それは、忘れているだけだから。

 

ぼくたちの日々の暮らし。

それぞれのアンテナで、ひとつひとつを感じていく。

ぼくたちが大切なものを思い出せるよう、
毎日のそこらかしこに、たくさんの贈り物が用意されている。

 

ぼくたちが、ぼくたち自身の大切なものを思い出せたなら、

またもうひとつ思い出すことができる。

 

いっしょに、この世界を生きている、無邪気な約束を交わした星くずたちと

タイミングを合わせて、つながり、関わっていること。

 

「わたし、あなたのことを叱りつける役にしようかな」

「ありがとう。じゃあ、わたしはあなたのことが嫌いになるのかな?」

「どうなるだろうね。嫌いになってもいいからね」

「そんなことないよ。ぜーったいわたしは嫌いになんかならないからね!」

 

約束を忘れた星くずたちは、ケンカをしたり、嫌いになったりするけれど、

思い出しちゃえば、すべてが笑い話になる。

 

「あなた、わたしのことを嫌いにならないって言ったのに」

「ごめんね、忘れちゃってたんだもん。おかしいなあ、忘れるわけないと思ったのに」

「でも、実はわたしも忘れてたの。あなたのこと、嫌いだったもの」

「面白いね、ほんとうに。でも、あなたのおかげで会社をやめることができたんだよ」

「そっか。それなら、結果オーライってことになるのかな」

 

誰を好きになっても、嫌いになっても、だいじょうぶ。

ぜんぶ、自由に選んでいいのは、地球の醍醐味のひとつ。

 

優劣なんてひとつも存在しない、星くずたちの遊び。

毎晩、夜空に浮かぶ無数の星を眺めれば、ぼくたちはきっと思い出す。

それぞれの輝き、色、在るべき位置と、つながりの距離感を。

 

さまざまなことが起こる毎日は、なにもかもがカンペキ。

ギリギリセーフも、ギリギリアウトも、愛しい贈り物。

 

それじゃあ一緒に、シナリオを見せ合った、あの時、あの場所を思い出そう。

無邪気な約束を、再確認しよう。

 

 

いっせーの、せ!

 

こじょうゆうや

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