2017-08
コズミックワンダー と工藝ぱんくす舎 かみ展
2017年8月29日(火)から10月22日(日)まで、コズミックワンダーと工藝ぱんくす舎による「かみ」展を銀座・資生堂ギャラリーで開催いたします。
本展は、我々の生活で最も身近な工芸である「かみ」がテーマです。そのなかでも天然の素材を使い手作業で作られる手すき和紙の可能性を探ります。紙の魅力を引き出すものとして、コズミックワンダーと工藝ぱんくす舎は、すべての生命の源であり和紙作りにかかせない「水」にフォーカスし、「水会(みずかい)」や「お水え」を創案しました。それらは、お茶会に着想を得た湧水をふるまうセレモニーで、自然への畏敬の念から立ち現れたパフォーマンスです。展覧会タイトルの「かみ」には、原始的な響き、太古の神への思いも重ねられています。展覧会では、「水会」や「お水え」のしつらえや道具、そこからイメージを膨らませて作られた工芸作品が並びます。コズミックワンダーが制作した席主と半東の衣装である紙(かみ)衣(ころも)、石井直人による土器、川合優による木道具、西田誠吉、佐々木誠の紙漉きによる和紙など。道具やその他の演出は、日本の文化の源泉である縄文から着想しています。その概念と意匠は、工藝ぱんくす舎の前田征紀と石井すみ子により意向性が示され、作品化されます。
本展は、昨年に島根県立石見美術館で開催された「お水え いわみのかみとみず」展を再構成し、新作「舟水会(ふなみずかい)」が加わります。
新作では、お香や薬に使用されていた独特の香りが立つ海浜植物・ハマゴウにより紙の新たな可能性を探ります。ハマゴウは縄文以前より日本にあるとされ、種を海にプカリプカリと浮かせて浜に広がりました。太古の人たちが舟を作り日本の処々へ渡る姿と、海に浮かび日本の浜に広がっていったハマゴウ、それらの重なる光景を表現します。作品は、唐津の紙漉師、前田崇治の協力により制作されます。
自然の素材により、昔ながらの手仕事で作られた作品は、我々の五感を冴えわたらせ、いにしえを感じさせ、「みえないものをみる」という日本人特有の感性や深い知恵を呼び覚ますこととなりましたら幸いです。
会期:
2017年 8月29日(火)− 10月22日(日)
会場:
SHISEIDO GALLERY(入場無料)
東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
平日 午前11時 − 午後7時(日曜日・祝日 午前11時 − 午後6時)
休館日: 毎週月曜日
主催:
資生堂
関連企画:
初日29日(火)にサウンド・アーティスト、鈴木昭男氏の演奏会を行います。
展覧会期間中、工藝ぱんくす舎 前田征紀と石井すみ子のトークイベントを開催します。
詳細は資生堂ギャラリーウエブサイトにてご案内いたします。
COSMIC WONDER
竜宮衣 原始ノ布展
写真: ホンマタカシ
20周年記念パフォーマンスとして2017年3月にCenter for COSMIC WONDERで発表した「竜宮衣 原始ノ布」。
COSMIC WONDERの制作拠点である 美山のアトリエ「竜宮」の再現を試みるパフォーマンスを行いました。
本展では、「竜宮」空間を構成する、古い原始布、自然布、手漉き和紙による衣服、御簾、茵と工藝道具などを展示いたします。
また、ホンマタカシ氏が記録したパフォーマンスの映像を上映いたします。
同日、秋冬コレクション「竜宮衣 原始ノ布から」をお披露目いたします。
衿なしのトレンチコート、ウール麻の古形衣、シェットランドウールの古形衣、有機栽培綿の古形衣、ポチャギの前掛けと巻布、有機栽培綿のたっつけもんぺ。
自然から取り出され、時を惜しまぬ人の手仕事で現出したいのちの形、古から受け継がれた奇跡と新しい時代の精神が重なる宇宙の景をご高覧ください。
会期:
2017年8月11日(金・祝)− 9月10日(日)
*休館日: 8月14日(月)− 16日(水)
会場:
東京都港区南青山5-18-10
午前11時 − 午後7時
オープニングレセプション:
2017年8月11日(金・祝)午後2時 − 午後5時
COSMIC WONDER 主宰 前田征紀 在廊いたします。京都 菜食光兎舎による竜宮日菓子をご用意いたします。
「竜宮衣 原始ノ布」
映像上映: 午後5時30分 − 午後7時(3分32秒)
撮影・編集: ホンマタカシ