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2019-11

Harmonic Meditation
Arts and Crafts
vol.2

Nov 29, 2019 | Free Press 

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ドイツの思想家 ルドルフ・シュタイナーの考案によるライヤー を見ると、かつて私がルドルフ・シュタイナーの人智学に没頭したことを思い出す。そして、人智学や神智学をより深く知りたいと思い、ルドルフ・シュタイナーの翻訳を多く手がけられ、日本の第一人者のお一人であり、神学の研究家でもある故 西川隆範先生と親しくさせていただいていたことも。その頃に私の制作した美術作品のテキストを西川先生に2度ほどお願いしたこともある。西川先生は体も大きくおおらかで優しく、とても素敵な方であった。私がお会いしていた頃は西川先生の晩年になるだろうか。その頃、西川先生は地球が良い方向へ向かうようにいつも願われていたように感じる。

西川先生の最後のブログはこのようなテキストで始まっていた、「2011年春、命と引き換えに原発事故を収束させようと祈念したら、心不全になった」。まだ暑さの残る晩秋、少し遠くにある喫茶店に早く入りたいと思い、早歩きでアスファルトの道を歩き、お疲れの西川先生の息を切らしてしまったことを時々思い出す。西川先生は甘いものが大好きだった。

カテリーナ古楽器研究所はマザーライヤー とベイビーライヤーの2種類のライヤーを制作している。マザーライヤー を制作するとき、そのくり抜いた木で生まれてくるのがベイビーライヤーという。カテリーナ古楽器研究所の松本未來氏が作ったライヤー は清々しく美しい。彼が作る様々な中世の楽器は西洋楽器にも関わらず、すべて日本の木で制作されているそうだ。そして、驚くことにそれらの楽器は現存するものが少ないので、ルネッサンスの絵画などを参考に再現されている。時も国も超えたカテリーナ古楽器研究所の楽器から響く音色にたくさんの人が魅了されている。

 

瞑想するとき、その空間を浄化することは瞑想においてとても重要なことだという。空間を浄化するということは現実的な部屋の掃除も良いだろうし、セージやハーブを使うことも良いだろう。その場所と自分のエネルギーまでも浄化するということであれば、霊的な動きが必要だろうか。私はアセンデットマスターのセイント・ジャーメインによる、愛と浄化のバイオレットフレームにいつも助けられている。セイント・ジャーメインのバイオレットフレームを想像してその紫の炎に包まれることで清らかな高波動の状態になれる、とてもありがたい炎なのである。Cosmic Wonderが制作したチョガッポの作品は、韓国でもとめた手織りの苧麻絹布をベンガラとログウッドで染め、その布の断片を紫色のグラデーションにして、それらを繋ぎ合わせ重ねることで幾何学模様を作っている。作品を自然光に透かすと、作品の真ん中に薄い紫の六芒星の光が浮かびあがる。そう、私はセイント・ジャーメインの愛と浄化のバイオレットフレームを表現したいと思った。

 

rinn to hitsujiの蝋燭作家 鈴木りえ氏に天使の蝋燭がほしいと言ったとき、鈴木氏が驚いた顔になった。鈴木氏は数年前にある人に天使の蝋燭のシリーズを制作すると言われたそうだ。天使からのお告げのようなものなのだろうか。天使蝋燭受胎告知から、何年経っても鈴木氏に天使のインスピレーションは感じられず、人型に近い作品といえば縄文土偶の土偶蝋燭を制作していた。鈴木はいつしか土偶が天使のようなものなのだろうかと思っていた。蜜蝋でできた土偶蝋燭はとてもユニークで可愛らしく鈴木氏の作品の中でも人気の高いものになっている。そして、この度、私が天使のことを言い出したことで、天使の蝋燭がとうとう現れることになったということだ。それから、鈴木氏は天使のインスピレーションを自身におろすための生活が始まった。しかし、鈴木氏の印象はお会いした時から常に天使に囲まれているように見えた。鈴木氏の蝋燭は全て手で形成され、型は使わずに一つ一つ丁寧にその印象を想像しながら制作していくという。天使は心で思えばいつでも現れてその人をサポートしてくれるそうだ。鈴木氏の作った白い天使の蝋燭、点火すると天使が舞い下りて美しさに満ち溢れた素敵な空間になるだろう。

 

Harmonic Meditation Arts and Craftsのコレクションは、ここ数年にお会いした作家や友人にお願いして作品を制作していただいた。見る人にはとても静かなコレクションに感じるかもしれないが、私はとても美しいコレクションだと思っている。目に見えているものの背後に霊的な気配がある美しい作品、それらは、人の心の栄養となり魂の記憶となるだろう。これからのアートと工藝を支えていく側面になり、沢山の花が開いていくのだと思う。

 

Sep 15,2019

Yukinori Maeda

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rinn to hitsuji
光の源

Nov 29, 2019 | Exhibitions 

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わたしにとってすべてのものたちの源

ともしびそのもののような

灯していけば羽のようになるかもしれないし

祈る人のようになるかもしれません

またはすべて光となりなくなるかもしれません

それはわたしにもわかりませんが

目に見えるものも目に見えないものも

すべての源は光であるとただただ感じるのです

 

rinn to hitsuji

 

 

Center for COSMIC WONDERでは初個展となります、rinn to hitsuji「光の源」展を開催いたします。

2007年から蝋燭作家として活動を始めた rinn to hitsuji。生み出される蝋燭たちは、大豆から抽出されるソイワックス・蜜蝋などの天然ワックス、香料には天然のエッセンシャルオイルを使い、手の動きだけで制作しています。心を込めて形作られる蝋燭たちは、優しく寄り添う友のような存在であり、それを灯すことで愛の光に包まれ、それぞれの真我と統合するでしょうか。

美しく揺るぎない凛とした蝋燭の芯のように、そこに灯る一筋の光を届けることを仕事とする rinn to hitsuji。

ご高覧賜りますようお願い申し上げます。

 

 

会期:

2019年12月12日(木)− 12月22日(日)

午前11時 – 午後7時

 

作家在廊:

12月12日(木)

 

オープニングライブ:

LUCA(歌とギター)

12月12日(木)午後6時から

要予約、30名様 限定

参加費: 3,000円

*満席の為、受付は終了いたしました。

 

LUCA

1994年カルフォルニア州 バークレー生まれ

シンガーソングライター

2015年に自身のファーストアルバム “So, I began”をリリース

坂本龍一氏8枚目ソロアルバム “async”コーラス参加や、haruka nakamuraとのコラボレーションを重ねている。

2019年9月には、night crusing から京都在住アーティストThere is a foxと “Light Waves”をリリース。

カルフォルニア、デンマーク、パリを経て、現在は東京を拠点に活動中。

http://www.lucadelphi.com

 

会場:

Center for COSMIC WONDER

東京都港区南青山5-18-10

T. 03-5774-6866

午前11時 − 午後7時

*定休日: 12月4日(水)、12月11日(水)

 

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Harmonic Meditation
Arts and Crafts
vol.1

Nov 28, 2019 | Free Press 

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私たちは今宇宙と繋がり、本当の自分と繋がり

多くの人たちが悟りを開いて生きていくという。

光と陰は統合し真琴の美しさに満ち溢れる。

調和の瞑想のためにいくつかのアートと工藝を集めてみた。

 

天使を暮らしの中で感じるために、天使の印象をまとった木片がほしいと思った。少し遠出をした時、美しい湖のある森に入りそれを探してみた。森にあるブナやクヌギなどの朽ちた枝や木片を拾い集めそこに天使の面影を探してみたが見つからなかった。ある日、友人の家を訪ねた時、その近くに住む美術作家の田代裕基氏に会った。

彼のアトリエに粗く彫った木片が一つごろりと転がっていた。それは天使そのものだった。私は無作為な形状を一目で気に入った。田代裕基氏は作品を制作するとき、霊的なものとのあわいを表現している。霊的なものとのあわいを表現すること、これは原初的な芸術の目指すところであると思う。

 

水晶の美しさは水晶と仲良くなればなるほど輝きが増すように感じる。水晶と仲良くなるとは、水晶に慣れない人には不思議な表現かもしれないが、おそらく水晶と人は仲良くなるものなのである。水に愛のある言葉をかけると周波数が変わり結晶の形状が美しく整うという。水晶にもそのようなことがあるのだろうか、水晶は人の接し方で見違えるほど違う気がする。装身具作家 小野泰秀氏の作品の水晶はとても美しい、彼は水晶といつも対話して作品を制作していると思う。人は近い将来、体の組織がケイ素化して水晶の身体を手に入れると聞いたことがある。水晶を身につけることは、それと共鳴して高い周波数の自分の姿を感じることなのかもしれない。余談かもしれないが、人の身体は水でできている。愛のある言葉やその波動は身体にとても良いものなのだろう。

 

壷という形状に私は惹かれる。おそらく古代から人の惹かれる形状として壷は上位を占めるのであろう。土器作家 安田都乃氏は壷から音のような振動が流れているという。壷内の波形を図ると大きく口の開いた壷は周波数は低く、口の小さな壷は周波の共鳴速度が速く高周波が発されているという。私は安田都乃氏の壷を枕元に置いて寝ている、私にとって癒しの壷なのだ。

人は壷を手に入れるとき、無意識に自身の波動とあった壷や、しっくりとくる壷、より良い自分になる壷、自分にとってより良い空間を作る壷、そういったものを選んでいるとしたら、壺は花活けや見立て調度品以上の大切なありがたい存在なのかもしれない。

 

木工作家 川合優氏の作品からはいつも、神さまのお宮で使われるような印象を受ける。ある作品からは神の畏敬を感じることもある。この感覚は日本人特有の自然観によるものだろうか。川合優氏は日本の木による作品を制作する、その木がこの島国のどのような山や森で育ってきた木なのかを考え作品を制作するという。木の育った情景を想像して、木の作品と暮らすことはとても楽しい。Center for COSMIC WONDERの家具、机、椅子、棚などは川合優氏によるもので、私の住む築約200年の古民家も川合優氏の家具と、朝鮮の古い家具で構成している。私にとって 川合優氏の家具と古い朝鮮のものが合うのは不思議なことではないと感じている。話は変わるが、日本の山の事情はどうなっているのだろう。山に植林され放置された多くの杉、人が山に入らなくなり荒れた山。山を有効利用したソーラーパネルの風景も寂しく感じる。里山の風景を徹底的に壊す、それらは本当に必要なのだろうか。杉は挿し木で成長したものは根が浅く倒れやすい、そして密集して植えることで存命の危機を杉が感じて花粉を大量に出す。人口的に植えた杉は管理して使っていかないとないといけないものだ。もちろん、これ以上、管理しない杉を植えてはいけない。私の家の周りも放置された杉山や砂防ダムなどがあり、その問題をいつか解決しなければならない日が来る、山の問題は人ごとではないのである。川合優氏の針葉樹林のプロジェクトSOMAの活動は日本の山を変えていく良いきっかけになるだろう。

 

山や野原にある草や木の繊維でかつて日本人はほとんどの衣の布などを補ってきたのはそう遠いことではない。それらは今は自然布といわれ風前の灯火で受け継がれている。綿が普及したのはここ最近のことなのである。自然布は、大麻布や苧麻布をはじめ、オヒョウ、藤布、科布、葛布、紙布、太布、芭蕉布など。山に入り材料の調達から、剥ぎ、灰汁焚き、糸績みから織りまで気の遠くなるような作業がかつての日本の農家の仕事であり、日々やっておかねばならない暮らしの中で重要な事柄だったのだろう。京都市内にある古い自然布や古民具を扱うギャラリー啓の川崎啓さんから古い科布の布巾をいただいた。川崎啓さんは各国から訪れる古布に興味のある人たちに自然布のことを丁寧にたくさん教えてくださる。その科布の布巾はたくさんの穴が開いていたので、衣のお直し作家 横尾香央留氏にお直しをお願いした。科布の布巾は蒸し蓋の代わりに使われていたものだそうで、横尾香央留氏はシルバーの糸で美しい湯気を刺繍で表現した。横尾香央留氏は着用を繰り返した思い出深い傷んだ衣をお直しによって衣の持ち主と衣をもう一度今に繋げる天才である。傷んだ衣の持ち主とセッションを重ね、その物語を構築し、独特な彼女のお直しが美しい手法で織り込まれる。もともと、科布の布巾は私のものではないが、布の記憶を辿り想像した物語が表出することも面白いのではないだろうか。

 

Sep 01, 2019

Yukinori Maeda

 

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横尾香央留
The Awakening Universe

Nov 20, 2019 | News 

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横尾香央留による衣のお直し、「The Awakening Universe」シリーズを販売開始いたします。

COSMIC WONDER 2019 秋冬コレクション「Harmonic Meditation」の衣から、横尾が独特のユーモラス溢れた感覚で美しく調和を奏でたお直しの世界を広げます。

 

天然素材を染色したCOSMIC WONDERの衣には時折、色斑や生地の破れなどが生じてお譲りできないものがあります。それらをモチーフに横尾が刺繍や編みものなどの手仕事を施し新たな息吹を吹き込みます。独創的な世界観の繊細な手法のお直しに包まれた横尾香央留の「The Awakening Universe」の衣をお楽しみくださいませ。皆様のお越しを心よりお待ちしております。

 

11月23日(土・祝)から、Center for COSMIC WONDERにて販売を開始いたします。

*1点ものになりますので、売り切れ次第終了

 

 

会場:

Center for COSMIC WONDER

東京都港区南青山5-18-10

午前11時 − 午後7時

定休日: 11月20日(水)

 

横尾香央留

1979年 東京生まれ。

2005年より刺繍やかぎ針編みなどの緻密な手仕事によるお直しのアート活動を始める。

 

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