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Exhibitions

市川孝
茶車展

May 26, 2017 | Exhibitions 

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Center for COSMIC WONDERでは市川孝「茶車」展を開催いたします。

 

市川氏は昨年、京丹波わちの山野草の森での「森の展示室」をきっかけに、野や森へ持ち出すための茶道具一式「茶車1号」を完成させました。
それから、様々な機会に合わせ茶車を作り、今年には「茶車5号」が完成。
その経緯には、トランクの様な形状の「茶rry」や背負えるタイプのカウンター「茶ウンター」も登場しました。
それらを京都、仙台、台北、北京、雲南、西安、内モンゴルなど各地に登場させ、独自の茶会を仲間と開催しています。

今回の展覧会では、茶車と茶器を中心に、「茶rry」や「茶ウンター」などを一同に展示、販売いたします。

 

古の野の茶の光景と現代の精神の響きこころ澄ます茶車、ご高覧賜りますようお願い申し上げます。

 

会期:
2017年6月10日(土)− 6月18日(日)

*休館日: 6月9日(金)

 

オープニングレセプション:

6月10日(土)11時、14時、16時

市川孝氏が在廊し、制作された茶車で中国茶・台湾茶をふるまいます。

あわせて、展覧会のために拵えた京都 菜食光兎舎による日菓子をご用意いたします。

 

会場:

Center for COSMIC WONDER

東京都港区南青山5-18-10

午前11時 − 午後7時

 



茶車と茶器

私は2007年に茶人の李曙韻さんに出会い台湾茶を知りました。その香り高い台湾茶に驚き、李先生のお茶の美しさと自由さに新しいお茶の世界を知りました。

その後、李先生が活動の拠点を北京に移されたこともあり、中国茶に出会うことになります。大陸のお茶はそれは豊かで変化に富んでいました。

お茶が食べ物であり、薬であり、禅との繋がりや世界への拡がりなど、茶文化の歴史からその奥深さを知り、ますますお茶の魅力にはまっていきました。

茶器作りは難しいです。 しかし、道具作りを通してのお茶との関わりは面白く、お茶淹れから道具を考えることにやり甲斐を感じています。また美味しいお茶に出会うとお茶の産地にも行ってみたくなり、人を魅了するお茶の原産地である西双版納(シーサンパンナ)で、お茶の古樹にも出会いたいと思うようになりました。その後ご縁が有り樹齢1000年程の古茶樹に出会う機会を得ました。

古樹の茶葉はそれは大きく、お茶の樹は見上げる程の高さで、 知っているお茶の木とは明らかに違い、山の野生の古樹の様子から伸びている根っこや浴びている陽射しを想像したくなりました。

 お茶の歴史の中で茶道が生まれていきますが、古樹(お茶の源)を直接この目で見たことで新たな気持ちで「茶」を感じる様になりました。またお茶を取り巻くこと【月(季節)、火(陽)、水(体)、木(葉、根)、金(日)、土(陶磁器)】との関係も魅力的でとても気になっています。

 こうした数々の茶縁とも言うべき繋がりから多くの方にお茶の魅力を道具から伝えていきたいと思うようになる中、中国の杭州茶葉博物館で「宋代斗茶図」や文人たちの野外でいただくお茶の絵の数々に興味を抱きました。

それらの絵から茶道の茶箱とは違う「なにやら面白いものを持ち出しているな」と思いこれもお茶の愉しみ方のひとつだと強く感じ、茶器だけではなく茶車を作ることになりました。

 

市川孝

 

1967年 滋賀県生まれ

    大学で、彫刻を学ぶ

1993年 古谷製陶所(滋賀県信楽町)勤務

1997年 森岡成好氏(和歌山県在住)に師事

1999年 倒炎式薪窯と灯油窯を築窯

2000年 全国各地で個展を中心に活動

    その後   半地下式薪窯、炭薪窯を築窯

2008年 人澹如菊茶書院(台湾)

    その後   台北茶家十職(台湾)、北京茶家十職(中国)で個展

茶菓花器事(chakakigoto)、茶遊記(chaiyuuki)などの活動を仲間としている。

 

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写真:市川孝

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