Exhibitions
小野泰秀
「うつしき」展
うつしき
鉱物、時が経った古い素材を用いた装身具を作っている
母なる地球が産み出したそのカケラは数千、数万年という時間の凝縮だ
地球の一部を身に着ける
装身具の起源は装身目的というより呪術的意味合いとしての
外敵から身を守る魔除けとして始まった
その後権威の象徴として世界中で用いられ
そこから現代に至るまでの間に装飾品となり
着飾るという他者との差別化を計るものとなった
本来物の持つ意味というのはどうして生まれたのか
それは物と人の間に在る関係性に意味があったからだ
その関係性というのがこの近代において薄れてしまったように感じられる
もう一度その関係性を取り戻したい
そういう想いで自分は作っている
編むという行為
一目一目が時間の体積
自分が出来うる鉱物に対する尊敬を
その一編みに込める
石を削る
より綺麗に見えるように
原石の荒々しさにみる強さも
壊れそうなくらい繊細に見える儚さも
その両極の性質を併せ持つ存在
金を溶かし型を作り石を当て嵌める
それが時に人と人の生涯を共に歩むものとなる
豪華絢爛といったものではなく
その人の日常に寄り添う気分を上げてくれるような
そんなものを作り続けていきたい
人と物が繋がる場を持つ
田舎に居を移し
自然に囲まれた場で制作する
築80年の鶏舎を改装し工房兼ねたギャラリーへ
その場は古いもの新しいものの混在する場
古くなったら壊す棄てるという近代的価値観
少し手を加えればまだまだ使えるのに
そこには以前の持ち主の歴史があり時間が加わった美しさがある
世界を旅する中で色濃く日本を意識する
侘び寂びといった特有の価値観
戦後日本は経済発展を求め
米国や欧州を目指すようにその文化や価値観を追い続けた
しかしその結果自国の美意識を失いつつある
一つの神を求める西洋的宗教観と
八百万神という自然の至る所に神を見出す日本の宗教観の違い
東洋と西洋の文化、価値観、宗教観、美意識など
それぞれの違いを認め多種多様に混成する
自国異国の古い物が並び
土、木、鉄、紙、布、硝子、植物といった素材を用いて作られる
作り手の生涯を通して作られる作品を表現する場
人と人、人と物、物と物を繋ぐ場として
この先もずっと興味を掘り学び続け
明るい平和な未来を本気で夢見て
そして愛と情熱を持って うつしき はありたい
love & happy & peace & freedom
yasuhide ono
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Center for COSMIC WONDERでは、小野泰秀「うつしき」展を開催いたします。
小野泰秀氏は水晶や鉱物を使い様々な技法を組み合わせた独創的で美しい装身具を製作します。
地球と宇宙、精神界をここにつなぐであろう鉱物を主体とした繊細なそれらは、身につけるものが古の智慧に繋がり未来を築くためのもの、うつしきな意図が込められています。
また、小野氏は福岡市と北九州の間に位置する村の中で「うつしき」という空間を出現させました。
そこは、小野氏の製作する作品、日本やインドから持ち帰った古い道具、手の温もりある衣が点在し、滋味深い食の提案、小野氏の工房、そして自身の家族の暮らしを融合させた空間によります。
小野泰秀氏の作品とともに「うつしき」の空間がCenter for COSMIC WONDERに現出します。
ご高覧賜りますようお願い申し上げます。
会期:
2018年11月16日(金)− 11月25日(日)
*作家在廊: 11月16日(金)、11月17日(土)
会場:
東京都港区南青山5-18-10
午前11時 − 午後7時
*休館日: 11月15日(木)
オープニングレセプション:
11月16日(金): 午後5時 − 午後6時
baobabの松本未來氏とmaika氏による古楽器の奏でをお楽しみいただけます。
田代沙織「うつしき」 喫茶:
11月16日(金)午前11時半、午後2時
11月17日(土)午前11時半、午後2時、午後3時半、午後5時
要予約、各会 4名様限定
3,000円
*受付は終了いたしました。
小野泰秀
1985年生まれ
世界放浪の際にアクセサリー製作のキャリアをスタート
世界に一つとして同じモノは無いハンドメイドの温かみと、天然石の持つ魅力と歴史を伝える為に、少しでも多くの人の日常に関われる事を目標に製作しています
手から手へ、その人の特別になれるモノへ
田代沙織
1984年 静岡生まれ
2014年に福岡県宮若市に移住
atelier gallary うつしきで働き始めると同時に個人の活動を開始
スパイスやハーブに興味を持ち学び進める中でアーユルヴェーダと出逢いスリランカの治療院で学ぶ
現在、うつしき喫茶や各地でハーブを用いたお茶会を開催
baobab バオバブ
maika / Fiddle,Fidel,Vocal
松本未來 / Guitar, Citol, Runessanse Guitar, Vocal
古楽器から現代楽器、アイリッシュ、古楽、フォークを自由なアレンジとスタイルで表現し、日々をながれる空気や季節の移ろい、カントリーサイドでの生活の中で見つけた景色や感覚を “baobabの音楽”として発信している。
自主制作でつくられたアルバムはインディーシーンでロングセラーを記録。
毎年初夏には、カテリーナの森で、森全体を自らデザインし、自然環境と人、音楽やアートと暮らしの融合をテーマにした音楽祭 ”Sing Bird Concert”を主催。
多くの共感者を集め、地域からの表現発信の核となっている。