Free Press
静寂の未知炉、新たに光を灯すよう
第2章
to sleep 2002
寝るための儀式をするための道具とドレス
ハンガー、タンスの引き出し、ネックレス、ドレス、Tシャツやジャケットが一体化した作品。
くっつけてはならないものをたやすくくっつけて一つにする。
それによって新たな価値観をつくりだす。*
A shadow Necessary for Windows 2002
これは私の中にある風景の一つです。もしくは私たち全員が心のどこかにあるありふれた風景かもしれません。
私たちは眠っている時とおきている時があるように思われます。
そしてそのどっちでもない時があるようです。
それを毎日毎日繰り返しているのです。
最後はどこでとまりますか? それとも終わりはないのですか?
カーテンとそれにたたずむためのドレス*
What invisible view should be ~ from some pictures 2003
写真で写っている部分を再現し、写真では見えない部分を取り除く。
写真から切り取られたようなパフォーマンスは、その空間で宙に浮き、写真本来における記録とは異なった、新たな存在と意味が生まれる。*
N.H: アート的なインスタレーションが続いた時期の作品です。
to sleepは、引き出しとドレス、ネックレスとハンガーというようにさまざまな服が室内装飾と一体化していました。A Shadow Necessary for Windowsでは服とカーテンがくっついて、フリンジが随所に配されていました。私はこの時のインスタレーションがすごく好きです。Cosmic Wonderらしいグレーのワントーンルックとか、フリンジのデザインが少女漫画みたいにロマンチックな要素をもっていたところも。
What invisible view should beでは、ファウンドフォトにうつっている服の部分をそのまま再現した、というものがコレクションピースで、写真では影になっていたり切り取られている部分は存在しない、パーツだけの服です。
A Shadow Necessary for Windowsも驚きでしたが実際は、ジャージー素材やコットンなどで思いのほか着易い、という意外性も含まれていました。この時は、その時の驚きを超えるというか、それだけでは着ることができない服。
Y.M: 実用性に向かないパフォーマンスの道具のようなところから派生した物を、日常で使うという面白さがありました。
N.H: この、疑問符をなげかけるようなコレクションも、とてもCosmic Wonderらしいと思うのですが、イメージのチョイスや構成で意識していたことは何でしたか。
Y.M: 一体一体の服ではなく、全部をみてひとつの印象が残るように考えました。
N.H: このときは招待状がポスターで、ファウンドフォトが一枚の紙に印刷されているのも印象的でした。
*詩のテキストはコレクションにつく当時のコンセプト
2017年1月17日
林央子 前田征紀
to sleep 2002
Photography by Yukinori Maeda
A shadow Necessary for Windows 2002
Show at Palais de Tokyo, Paris
Photography by Yuki Kimura
What invisible view should be ~ from some pictures 2003
Show at Cosmic gallery, Paris
Photography by Yuki Kimura